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FF12の矛盾や苦悩に満ち満ちたヒュムの子らしいアーシェやバルフレアが好きです。
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もう、旬が過ぎたネタではありますが、殿下(園崎嬢)がご結婚なさったそうで・・・。

おめでとうございます!!

まあ、相手が業界人ではないというのは残念ですが・・・。
(私も、やはり平田氏がお相手だったら嬉しい派でした)

なにより、お幸せになっていただくことが一番!

よかった、よかった♪

てなわけで(何が?)、お祝いイベントから閃いた文を一本書いてみます。


***

blogSS 「初冬の温もり」



 「ただいまー。」

 彼女が部屋に戻ったのは、20時過ぎ。
 今日は、彼女の友人のウェディング・パーティー。

 扉を開けて、「外は寒いわ」と言いながら、白いカシミアのコートを脱ぐと、その下には、サテン地のパープル色のドレス。
 流行の色ではあるけれども、彼女が着ると、色の高貴な印象が上品さを引き立てる。
 自分を美しく魅せるコツを、自然と身につけているらしい。

 「どうだった?」

 彼の問いかけに、彼女は微笑む。

 「すごく穏やかで幸せそうだったわ。もう、長年つきあってきた二人らしいから、互いのことは十二分にわかりあっているみたいだけど・・・。」

 着替えながら二人の話やパーティの様子を楽しげに話す彼女もまた、とても幸せそうな表情であった。
 彼が二人分のコーヒーを入れ、テーブルに置くと、「飲みたかったの、ありがとう」と、彼女は椅子に座った。

 「そういえば、会の終わりに、新郎が挨拶をしたけれど、いい話だったわ。」
 「へぇ、どんな?」
 「『これまで辛い思いをさせたけど、これからは僕が幸せにします』って言っていたの。いい話よね。」
 「ふーん。」

 そのとき、丁度チャンネルを合わせていたニュース番組が、臨時ニュースが発生したことを告げてきた。
 二人の注意は逸れ、話題は、事件の背景等への憶測等に移っていった。

 +++

 彼女が風呂を出て、寝室に入ると、彼はベッドライトをつけ、本を読んでいた。
 彼女に気づくと、彼は黒いフレームの眼鏡を外し、彼女がベッドに入りやすいようスペースを作った。

 「そろそろ寝るか。」

 彼女が横に滑り込んだことを確認すると、彼はライトを消し、自分も潜り込む。
 少し深く息を吸って、彼女が目を閉じると、彼が声をかけてきた。

 「なあ。」
 「なあに?」
 「お前、<幸せになりたい>って思ってる?」

 うーん、と唸ってから彼女は口を開いた。

 「今、十分幸せだと思うわ。」
 「そうか・・・。」

 再びの静けさが二人を包み、彼女がうとうとしかけた時であった。

 「俺さぁ・・・。」
 「ん?」
 「お前に辛い思いは絶対させない、ってことだけは言い切れる。」
 「・・・。」
 「だから、安心していいんだぜ。」

 彼女は思わず、くす、と笑った。

 「何、笑ってるんだよ。」

 声のトーンをあげて話す彼の首元に顔を寄せた。

 「何でもないわ。嬉しかっただけよ。」
 「そう?」
 「ええ。」

 誰かを自分が幸せにする、なんて、彼の性格からすれば『そんな思い上がったこと言えやしない』と思っているに違いない。
 でも、自分ができる精一杯の誠意は何か、と考えた末の発言だろう。
 自分の何気ない一言に、応えようとするのは、彼の優しいところである。

 「ありがとう。」

 軽くキスをして、頬を撫でる。
 彼は、満足気に笑みを浮かべた。

 「今日も、明日も、きっとお前を愛している。」
 「私もよ。」

 再び、彼の腕の中で目を閉じる。

 その体温も言葉も、彼の想いを感じさせるものであった。

 (貴方のおかげで、私は十分幸せよ。)

 部屋の空気は時間が追うごとに冷えていくが、眠りにつく二人は温かなものに包まれていた。
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