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こんなノロケ話につきあってくれた方、どうもありがとう。
終わったから、ちゃんと本業(書き事)に戻りますね~。
終わったから、ちゃんと本業(書き事)に戻りますね~。
***
職場SS「あと10cm・・・。-その4(終)-」
***
言ってから、はっとした。
「あ!いやっ!変な意味じゃなくって!ホラ、ホテル代もったいないじゃない?始発が動くまでの数時間だしさ!部屋も結構広かったし。そうだ!床に寝ればいいのよ、あなたが!」
慌てて言いつくろう私を見ながら、彼は言った。
「うん、じゃあ、お言葉に甘えるよ。」
「ん、そうしなよ。私も心苦しいしー。」
じゃあ、もう出ようと二人でダーツバーを出て、私が宿泊しているホテルに向かう。
徒歩5分の距離だ。
***
「客じゃないのに大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃない?確か、外から部屋までEVで直で行ける仕組みになってるし。」
ホテル客用のオートロックを開けると、EVに二人で乗り込む。
部屋は8階。
フロアに到着。
「悪いけど、部屋を片づけるから3分待って!」
私がストップをかけると、彼は笑った。
「はいはい。じゃあ、俺、何か飲むもの買ってくる。」
一人、大急ぎで部屋を片づける。
まあ、片づけると言っても、下着を出しっぱなしにしてなかったかとか、その程度だが。
簡単にチェックをすると、部屋のチャイムがなる。
ドアを開けて、彼を招く。
「何?まだ飲むの?」
「まずかった?」
彼が買ってきた500mlのビールを開けて、再び乾杯する。
また、しばらく雑談を続ける。
***
-午前2時半-
「さすがに眠くなってきた・・・。」
「俺も・・・。」
「寝よっか。」
「ああ。」
そういえば、今日の昼間に、間違えて一式余計に宿泊セット(着替えとタオル)をもらっておいたんだった。
「着替えがあるよ。」
「え?使ってまずくないの?」
「いいんじゃない、別に。」
私は、びりびりと袋をやぶき、中身を彼に手渡す。
「はい、着替えてきたら?」
「うん。」
「アタシも着替えるから、いいって言うまで出てこないでよ。」
「はいはい。」
適当に、ホテルの寝間着に着替えて、ユニットバスに閉じこめた彼に声をかける。
彼も着替えて出てきた。
「じゃあ、俺、床にねるから。」
「えっ!」
「あんた、床に寝ろって言っただろ?」
「でも、痛くて可哀想だから、布団に寝ていいよ。」
そうは言ったが、ベッドは誰がどう見ても1つしかない。
「あ、そうだ。真ん中にタオルで境界線作るから、半分ずつにしよう。」
「・・・わかった。じゃあ、お言葉に甘えます。」
私は、バスタオルを縦方向で巻き上げ、一本の紐みたいな形にすると、ベッドの真ん中に置いた。
それぞれ、ベッドの両端に潜り込む。
ベッドの右側が彼、左側の壁際が私・・・。
「じゃあ、おやすみ。」
「おやすみ。」
我ながら、酔った頭で考える。
何で、こんなことになったんだっけ?
私の好きな男が隣に寝ている。
二人の距離は、あと50cm。
でも、私たちは結局どうなるわけでもなくて、こうやって眠りにつくわけで。
私は、言いたいことを結局ちゃんと伝えることができたのだろうか。
いや、言っていないような気がする。
何しにここに来たんだろう。
この人に伝えたいことがあって来たはずなのに・・・。
なかなか眠りにつけず、寝返りをうって壁を見る。
でも、横になると頭がぼんやりしてきて、眠いような眠れないような・・・。
「なあ。」
急に声をかけられて驚く。
驚くけれど、低血圧なので勢いよく返事ができない。
「んー?」
「お前さあ、俺が舞台に誘った時に、俺がお前に気があるって気づいてた?」
気があるかもと期待はしてたけど、確信していたわけじゃない。
「うーん、知ってた、かも。」
私は天井を見ながら、目を瞑って返事をする。
はーっ、と彼は溜息をついた。
「すごい意地悪だよなあ。」
「何が?」
「だって、知ってたんだろう?」
「でも、あの後、あなた何も言わなかったじゃない。」
「俺が悪いの?」
「あたし、待ってたのに・・・。」
数秒おいて、顔を横にむける。
彼は仰向けに寝て、左腕を額においていた。
「俺、結構攻めてたつもりだけど。」
「わからないわよ。攻めてるつもりかもしれないけど、結局わかりにくいのよ。」
「何だよ、俺のせいかよ?」
彼は、右手で頭をささえながら、横向きになって、私の方に身体を向ける。
ちょうど、バスタオルでつくった境界線上にぴったりと身体をつけている。
あと30cm・・・。
「何よ、結局、越えてこないくせに。」
「そう、させてるのはお前だろう?」
意気地なし。
そう言ってやろうと、私も身体を動かす。
あと20cm・・・。
「何よ。」
意気地なし、根性無し、このへたれ野郎、待ってたのに、ずっと待ってるのに、今だって、ずっとずっと・・・。
・・・もう待てない・・・。
手を伸ばして、彼の頬を撫でる。
あと10cm・・・。
「待たせてごめん。」
彼の首にしがみつく。
彼の左手が私の髪をなで続ける。
二人の距離は、もう、0cm・・・。
少し気持ちを落ち着ける。
顔をあげると目の前に見慣れた顔。
「やっぱり・・・。」
目を細めて、彼が口を開いた。
「何?」
「やっぱり好きだ。」
「私も・・・、です。」
午前3時・・・。
私たちの夜は、今から始まる。
-おわり-
明け方、初めて二人で手を握りあった時、
「俺達って、手をつなぐの初めてじゃない?」
「そうだね。」
「普通、逆だよな。」
「いいんじゃない。」
そんな会話をしておりました。
職場SS「あと10cm・・・。-その4(終)-」
***
言ってから、はっとした。
「あ!いやっ!変な意味じゃなくって!ホラ、ホテル代もったいないじゃない?始発が動くまでの数時間だしさ!部屋も結構広かったし。そうだ!床に寝ればいいのよ、あなたが!」
慌てて言いつくろう私を見ながら、彼は言った。
「うん、じゃあ、お言葉に甘えるよ。」
「ん、そうしなよ。私も心苦しいしー。」
じゃあ、もう出ようと二人でダーツバーを出て、私が宿泊しているホテルに向かう。
徒歩5分の距離だ。
***
「客じゃないのに大丈夫なのか?」
「大丈夫じゃない?確か、外から部屋までEVで直で行ける仕組みになってるし。」
ホテル客用のオートロックを開けると、EVに二人で乗り込む。
部屋は8階。
フロアに到着。
「悪いけど、部屋を片づけるから3分待って!」
私がストップをかけると、彼は笑った。
「はいはい。じゃあ、俺、何か飲むもの買ってくる。」
一人、大急ぎで部屋を片づける。
まあ、片づけると言っても、下着を出しっぱなしにしてなかったかとか、その程度だが。
簡単にチェックをすると、部屋のチャイムがなる。
ドアを開けて、彼を招く。
「何?まだ飲むの?」
「まずかった?」
彼が買ってきた500mlのビールを開けて、再び乾杯する。
また、しばらく雑談を続ける。
***
-午前2時半-
「さすがに眠くなってきた・・・。」
「俺も・・・。」
「寝よっか。」
「ああ。」
そういえば、今日の昼間に、間違えて一式余計に宿泊セット(着替えとタオル)をもらっておいたんだった。
「着替えがあるよ。」
「え?使ってまずくないの?」
「いいんじゃない、別に。」
私は、びりびりと袋をやぶき、中身を彼に手渡す。
「はい、着替えてきたら?」
「うん。」
「アタシも着替えるから、いいって言うまで出てこないでよ。」
「はいはい。」
適当に、ホテルの寝間着に着替えて、ユニットバスに閉じこめた彼に声をかける。
彼も着替えて出てきた。
「じゃあ、俺、床にねるから。」
「えっ!」
「あんた、床に寝ろって言っただろ?」
「でも、痛くて可哀想だから、布団に寝ていいよ。」
そうは言ったが、ベッドは誰がどう見ても1つしかない。
「あ、そうだ。真ん中にタオルで境界線作るから、半分ずつにしよう。」
「・・・わかった。じゃあ、お言葉に甘えます。」
私は、バスタオルを縦方向で巻き上げ、一本の紐みたいな形にすると、ベッドの真ん中に置いた。
それぞれ、ベッドの両端に潜り込む。
ベッドの右側が彼、左側の壁際が私・・・。
「じゃあ、おやすみ。」
「おやすみ。」
我ながら、酔った頭で考える。
何で、こんなことになったんだっけ?
私の好きな男が隣に寝ている。
二人の距離は、あと50cm。
でも、私たちは結局どうなるわけでもなくて、こうやって眠りにつくわけで。
私は、言いたいことを結局ちゃんと伝えることができたのだろうか。
いや、言っていないような気がする。
何しにここに来たんだろう。
この人に伝えたいことがあって来たはずなのに・・・。
なかなか眠りにつけず、寝返りをうって壁を見る。
でも、横になると頭がぼんやりしてきて、眠いような眠れないような・・・。
「なあ。」
急に声をかけられて驚く。
驚くけれど、低血圧なので勢いよく返事ができない。
「んー?」
「お前さあ、俺が舞台に誘った時に、俺がお前に気があるって気づいてた?」
気があるかもと期待はしてたけど、確信していたわけじゃない。
「うーん、知ってた、かも。」
私は天井を見ながら、目を瞑って返事をする。
はーっ、と彼は溜息をついた。
「すごい意地悪だよなあ。」
「何が?」
「だって、知ってたんだろう?」
「でも、あの後、あなた何も言わなかったじゃない。」
「俺が悪いの?」
「あたし、待ってたのに・・・。」
数秒おいて、顔を横にむける。
彼は仰向けに寝て、左腕を額においていた。
「俺、結構攻めてたつもりだけど。」
「わからないわよ。攻めてるつもりかもしれないけど、結局わかりにくいのよ。」
「何だよ、俺のせいかよ?」
彼は、右手で頭をささえながら、横向きになって、私の方に身体を向ける。
ちょうど、バスタオルでつくった境界線上にぴったりと身体をつけている。
あと30cm・・・。
「何よ、結局、越えてこないくせに。」
「そう、させてるのはお前だろう?」
意気地なし。
そう言ってやろうと、私も身体を動かす。
あと20cm・・・。
「何よ。」
意気地なし、根性無し、このへたれ野郎、待ってたのに、ずっと待ってるのに、今だって、ずっとずっと・・・。
・・・もう待てない・・・。
手を伸ばして、彼の頬を撫でる。
あと10cm・・・。
「待たせてごめん。」
彼の首にしがみつく。
彼の左手が私の髪をなで続ける。
二人の距離は、もう、0cm・・・。
少し気持ちを落ち着ける。
顔をあげると目の前に見慣れた顔。
「やっぱり・・・。」
目を細めて、彼が口を開いた。
「何?」
「やっぱり好きだ。」
「私も・・・、です。」
午前3時・・・。
私たちの夜は、今から始まる。
-おわり-
明け方、初めて二人で手を握りあった時、
「俺達って、手をつなぐの初めてじゃない?」
「そうだね。」
「普通、逆だよな。」
「いいんじゃない。」
そんな会話をしておりました。
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