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いよいよ後半戦です。
一応、実話にもとづいてます。
ただ、場所とか細かな設定は違いますよ~。
私自身の個人情報保護の問題もありますんでね。
一応、実話にもとづいてます。
ただ、場所とか細かな設定は違いますよ~。
私自身の個人情報保護の問題もありますんでね。
▼▼▼
職場SS「栄枯転変-その3-」
▼▼▼
打ち上げ開始は19時。
急いで片づけを済ますと、コートを着込み、出口に向かう。
あの人がいたら、どうしようー、なんて思っていたら・・・、
いた。
扉口に立って、外を見ながら煙草を吸っていた。
「打ち上げ行かないの?」
声をかける。
「ああ、場所わからなかったんだよね。よかったら一緒に行かない?」
いや、願ったりかなったりですよ。
「うん。じゃあ、一緒に行こう。」
二人で会場に向かって歩き出す。
***
「普段は、どんなことしてるの?」
「ああ、俺?まあ、普通に販路拡大だけど、まだ担当(製品)が少ないから、先輩のアシストが多いかな。」
「エリア限定タイプ?」
「いや、国内全般。まあ、特定のブロックに偏ることはあるけど、基本的には全国移動してる。」
「出張多いんだ。大変だね。」
「でも、出張ついでに、名物とか飲み食いできるだろう?結構楽しんでるから。」
「それは言えるよね。この時期だったら、紅葉綺麗な所に行きたいなあ。」
彼がにやにや笑っている。
「何?」
「いや、あなた、ホントに可愛いよね。」
うわ!
「え・・・。いや、その、そんなことないですって。もういいトシしてるし。」
「そんなことないって。本当に可愛いと思うよ。」
ひゃああああああ。
思わず俯きながら、口元を右手で押さえる。
もう、絶対、今のアタシは顔がニヤけてるって!
そんな直球投げられて、平気でいられるほど神経図太くないし、誉めて頂けること自体そうそうないのだ。
「いやいや。そんな誉めてもらっても困るって。大体、そんなこと、よう言われないし。」
「いいじゃない。俺、可愛いものは結構好きだよ。ぬいぐるみとかも好きだし。」
ぬいぐるみ?
ちょっと疑問が残ったりもするが、これ以上言われると、心臓に悪い。
ちょうどよく店の前に到着する。
「まあ、入ろう、入ろう。」
階段をあがって、予約した部屋に向かう。
***
会場は3列のテーブルに大体40名程度が入るくらい。
うちの部署だけではなく、手伝いに来てくれた方々も参加しており、結構大所帯なのだ。
鈴木君は、自分の部署の先輩に手招かれ、別のテーブルに移動した。
私は、自分の部署のメンバーが固まっているところに腰を落ち着ける。
打ち上げが始まって、宴も盛り上がり、ビール瓶を持って、あちこちウロウロしだす人が出てきた。
私もしばらくぶりに会う同期もいたりして、酒を注ぎ合い、旧交を深める。
ふと気がつくと、彼がテーブルの向かいに座って、ビール瓶を持って笑いかけてきた。
「今日はお疲れさま。」
「あ、ありがとう。」
ビールを注いでもらい、私も注ぎ返す。
二人で乾杯。
半分くらいグラスを飲み干す。
「イベント結構盛り上がったよね。」
「そうだね。でも、初めてああいう大舞台に立ったから、すごく緊張した~。」
「そう?結構、貫禄あったけど?」
「もう、めっちゃ緊張してたんだって!」
それから、他愛のない話で盛り上がる。
「よう!」
声をかけられ、上を見上げると、同期の篠原が立っていた。
誰も頼んでないのに、勝手にアタシの横に座ってくる。
「久しぶりじゃん。」
「お前こそ。そういや海外事業部移ったんだっけ?色々やるんだな、お前の部署って。」
「そうよ。国内向けのプロモだって、しっかりやらないとダメだしね。」
篠原は、私の前に座っている鈴木君に目を向けた。
「ところで、鈴木。なに、お前、河合と知り合いなの?」
「あれ?篠原って、鈴木君のこと知ってるの?」
「ああ、ウチの後輩だよ。」
なーんだ、そうだったんだ。
「俺、昨日は河合さんの手伝いしてたんですよ。」
「そうかあ。こいつ、抜けてるから大変だったろう?」
「ちょっと、あんた余計なこと言わないでよ!!」
鈴木君が笑っているのが視界に入りつつ、篠原に文句をつける。
「そう言えば、鈴木君って入社何年目なの?もう、中堅選手でしょう?」
私は、鈴木君に聞いたつもりなのだが、篠原が話に割って入ってきた。
「ああ、こいつ2年目だよ。」
え?
今、何ていったの?
2年目って・・・。
「河合さんは何年目なんですか?」
鈴木君が逆に尋ねてくる。
「ああ、俺の同期。」
だから、お前が言うなっつーの。
ていうか、2年目・・・。
ということは、私の弟より下の年齢ってわけだ。
今日の私は、実の弟より下の男の子(←もう呼び名が変わってます)にドギマギさせられたってわけ?
何てこと・・・!
ショックのあまり、ビールの味もよくわからなくなってきた。
しかし、私が本当のショックを受けるのは、僅か30分後のことであった・・・。
~次回に続く~
いよいよ大詰め。
職場SS「栄枯転変-その3-」
▼▼▼
打ち上げ開始は19時。
急いで片づけを済ますと、コートを着込み、出口に向かう。
あの人がいたら、どうしようー、なんて思っていたら・・・、
いた。
扉口に立って、外を見ながら煙草を吸っていた。
「打ち上げ行かないの?」
声をかける。
「ああ、場所わからなかったんだよね。よかったら一緒に行かない?」
いや、願ったりかなったりですよ。
「うん。じゃあ、一緒に行こう。」
二人で会場に向かって歩き出す。
***
「普段は、どんなことしてるの?」
「ああ、俺?まあ、普通に販路拡大だけど、まだ担当(製品)が少ないから、先輩のアシストが多いかな。」
「エリア限定タイプ?」
「いや、国内全般。まあ、特定のブロックに偏ることはあるけど、基本的には全国移動してる。」
「出張多いんだ。大変だね。」
「でも、出張ついでに、名物とか飲み食いできるだろう?結構楽しんでるから。」
「それは言えるよね。この時期だったら、紅葉綺麗な所に行きたいなあ。」
彼がにやにや笑っている。
「何?」
「いや、あなた、ホントに可愛いよね。」
うわ!
「え・・・。いや、その、そんなことないですって。もういいトシしてるし。」
「そんなことないって。本当に可愛いと思うよ。」
ひゃああああああ。
思わず俯きながら、口元を右手で押さえる。
もう、絶対、今のアタシは顔がニヤけてるって!
そんな直球投げられて、平気でいられるほど神経図太くないし、誉めて頂けること自体そうそうないのだ。
「いやいや。そんな誉めてもらっても困るって。大体、そんなこと、よう言われないし。」
「いいじゃない。俺、可愛いものは結構好きだよ。ぬいぐるみとかも好きだし。」
ぬいぐるみ?
ちょっと疑問が残ったりもするが、これ以上言われると、心臓に悪い。
ちょうどよく店の前に到着する。
「まあ、入ろう、入ろう。」
階段をあがって、予約した部屋に向かう。
***
会場は3列のテーブルに大体40名程度が入るくらい。
うちの部署だけではなく、手伝いに来てくれた方々も参加しており、結構大所帯なのだ。
鈴木君は、自分の部署の先輩に手招かれ、別のテーブルに移動した。
私は、自分の部署のメンバーが固まっているところに腰を落ち着ける。
打ち上げが始まって、宴も盛り上がり、ビール瓶を持って、あちこちウロウロしだす人が出てきた。
私もしばらくぶりに会う同期もいたりして、酒を注ぎ合い、旧交を深める。
ふと気がつくと、彼がテーブルの向かいに座って、ビール瓶を持って笑いかけてきた。
「今日はお疲れさま。」
「あ、ありがとう。」
ビールを注いでもらい、私も注ぎ返す。
二人で乾杯。
半分くらいグラスを飲み干す。
「イベント結構盛り上がったよね。」
「そうだね。でも、初めてああいう大舞台に立ったから、すごく緊張した~。」
「そう?結構、貫禄あったけど?」
「もう、めっちゃ緊張してたんだって!」
それから、他愛のない話で盛り上がる。
「よう!」
声をかけられ、上を見上げると、同期の篠原が立っていた。
誰も頼んでないのに、勝手にアタシの横に座ってくる。
「久しぶりじゃん。」
「お前こそ。そういや海外事業部移ったんだっけ?色々やるんだな、お前の部署って。」
「そうよ。国内向けのプロモだって、しっかりやらないとダメだしね。」
篠原は、私の前に座っている鈴木君に目を向けた。
「ところで、鈴木。なに、お前、河合と知り合いなの?」
「あれ?篠原って、鈴木君のこと知ってるの?」
「ああ、ウチの後輩だよ。」
なーんだ、そうだったんだ。
「俺、昨日は河合さんの手伝いしてたんですよ。」
「そうかあ。こいつ、抜けてるから大変だったろう?」
「ちょっと、あんた余計なこと言わないでよ!!」
鈴木君が笑っているのが視界に入りつつ、篠原に文句をつける。
「そう言えば、鈴木君って入社何年目なの?もう、中堅選手でしょう?」
私は、鈴木君に聞いたつもりなのだが、篠原が話に割って入ってきた。
「ああ、こいつ2年目だよ。」
え?
今、何ていったの?
2年目って・・・。
「河合さんは何年目なんですか?」
鈴木君が逆に尋ねてくる。
「ああ、俺の同期。」
だから、お前が言うなっつーの。
ていうか、2年目・・・。
ということは、私の弟より下の年齢ってわけだ。
今日の私は、実の弟より下の男の子(←もう呼び名が変わってます)にドギマギさせられたってわけ?
何てこと・・・!
ショックのあまり、ビールの味もよくわからなくなってきた。
しかし、私が本当のショックを受けるのは、僅か30分後のことであった・・・。
~次回に続く~
いよいよ大詰め。
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