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FF12の矛盾や苦悩に満ち満ちたヒュムの子らしいアーシェやバルフレアが好きです。
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結構、ご好評を賜りましたSS「百年の恋」(当ブログサイト11/2の小説裏話)ですが、

平田歌(バル歌)があるなら、園崎歌(アシェ歌)もあるだろう?」

と思うのが自然ですよね?

で、探したら、やっぱりあった。(もちろんyou tube)
ま、大したものではありませんが、一応続きもの(え?)なんで、ちょびっとSSもつけておいてみます。
よろしければ、どうぞ~。

あ、当然、語り手はバルフレアですよ!

園崎歌 (jp.youtube.com/watch?v=1XWj4gtanoc ←頭にhttp://)
サクラ大戦V 『舞台-Playing』って歌ですよ。

▼▼▼

SS 『LOST SOUL』


***


昨日は、酷い目にあった・・・。

彼女が部屋に戻っているとは知らずに、風呂場で歌っていたのを聞かれ、1日中ニヤニヤとこちらを見られていたのである。
ばつが悪いったらありゃしねえ。

それにしても、あんなに笑われると、むしろ腹が立つ。

俺もそんなに上手いわけではないが、他人に聞かれて笑われるほど下手じゃあない。
それを、なんだ?

“あっ!音は外れてなかったわよ!”だと?

随分、失礼な感想じゃねえか?

(くそー、むかつくなあ・・・。)

舌打ちをして王宮内の廊下を進む。


***


「~~~♪」

ん?何やら管楽器の音がする。
窓から覗くと、離れにある小ホールの方だ。
そういえば、今度、王宮で宴が開かれるとか言っていたな・・・。

あ!思い出したぞ。


***


“なんだ、女王のお前も歌うのか?”

“そうね。むしろ歌うことの方が多いのよ。ほら、サロンに集まった時には、それぞれ歌か踊り、楽器等を披露するものじゃない?私は、王族で唯一の女児だったこともあって、父からも「アーシェ、皆さんにご披露しなさい」なんて言われるから、あれもこれも練習しなくてはならなくて、結構大変だったのよ。今も、その名残で、何かしら、しなくてはならないのよね。”

“ふーん。”


***


あの時は、軽く聞き流してたけど、きっとあれはアーシェが練習でもしているに違いない。

そうだ、覗きに行ってやろう。

口端で笑うと、小ホールに向かった。


***


小ホールの入り口には鍵もかかっておらず、ロビーからホール扉に進む。
扉を微かにあけると、声が聞こえてきた。


(え?)


取っ手に手をかけたまま立ちすくむ。


(おい、誰だ?これ・・・。)


「舞台では涙も笑顔も、全部台本、叫びとアドリブ、全部稽古~♪」

(ア、アーシェ?)

音があってるとかあってないとかいう話ではない。
言葉一つひとつに会話のような情感が込められている。
強弱や抑揚、かなりいいバランスだ。
聴くのを止められない。

「シュビドゥビダ~~、ア~~(<)♪」

管楽器にもまけない声量。

まさに歌姫だ・・・。

俺は、開けかけた扉を再び閉めてホールを出た。


***


「あら?バルフレア、先に来てたの?」

アーシェが自室に戻ると、バルフレアが本を読んでいた。

「ん・・・。」

「どうしたの?元気ないじゃない?」
椅子に座っている彼の背後から、アーシェは腕を彼に絡めた。

「いや、お前に俺の気持ちはわからない。」

「???」


***


頑張れ!バルフレア!
また、一人でバスルームで練習すればいいじゃないか!
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