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FF12の矛盾や苦悩に満ち満ちたヒュムの子らしいアーシェやバルフレアが好きです。
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いよいよ、ラストです。
書きながら、色々思い出しちゃったよ。


▼▼▼
職場SS「栄枯転変-その4-」
▼▼▼



「えっ!本当に・・・・・・・・・・!
いや、全然、そうは見えませんよ?俺より若く見えるし・・・。
あ、もう全然、大丈夫!」

待て。

何だ、今の「間」は・・・。
それになんだよ、俺より若く見えるから大丈夫、ってさ?
若く見えなきゃ、大丈夫じゃないってことだろう?
 ↑
(急にネガティブ・シンキング)

さっきまでの勢いはどこへやら・・・。
すっかりローテンションになってしまった私。
表情が変わった私に、さすがの篠原も悪いと思ったのか、フォローを入れる。

「ああ、こいつ見た感じが若いんだよ。マジでわかんないよなあ?」

おい、それってフォロー?
むしろノリツッコミってやつじゃねえか?
奴らの心無い一言々々が、私の頭に無数の矢をつきたてる。

「ちょっと、ごめん・・・。」
私は、化粧室に向かった。

***

少し冷静になってみよう、と化粧室の洗面台で考える。

2年目のコだ、普通に考えて、23歳・・・。
我が弟くんよりも、下である。
確かに私の見た目は、若く見える。
しかし、ブースの責任者やってるくらいなんだから、年上なのはわかっていたハズだ!
いやいや、でも年上とは推察したが、まさか篠原の同期レベルとは思わなかったに違いない。
向こうが上でもいいと言っているなら、それはそれでもいいんじゃないか?
でもなあ、化粧落としたときに、肌の肌理でがっかりされても嫌だしなあ(←何考えてるんでしょう?)。

そんなことが、脳裏を駆け巡る。

(考えてても始まらないから、とりあえず戻ろう)

口だけ漱いで、化粧室を出る。

***

化粧室を出て、部屋に戻るまでの廊下スペースに彼がいた。

「あれ?(化粧室が空くのを)待ってたの?ごめん。」
私が声をかけると、彼は私に名刺を渡した。

「裏に、メルアド書いてある。気が向いたら連絡して。」

そう言って、さっさと部屋に戻っていった。

ううーん。
こんなことなら、気合入れてビリーを連続1週間頑張って、ボディラインを整えておくべきだった!!
 ↑
おい!

***

彼の近くに戻る気持ちになれず、他のテーブルに行く。
テンションは高いような低いような微妙な感じ・・・。
しかし、こんな打ち上げの場で、シリアスに考えている暇はない。
グラスを交わしながら談笑していたら、いつもの私に戻ってくる。

そんな時、急に耳を疑うような台詞がずっと奥のテーブルから聞こえてきた。

「え!鈴木の彼女って、そんなに年上なの?」

は?

今、何て・・・?

彼女?
年上?

目を遣ると、鈴木君(彼もとっくにどこかのテーブルに移動済み)と彼の知人が向かい合わせて飲んでいる。
(余計なことをでかい声で言うな!!)とでも言いたげに、彼は手を知人に向かってあげ、あたりをキョロキョロする。
すまない。
キョロキョロ確認してもらったようだが、残念ながら、私と目が合ってしまった・・・。
その目は何と言っているのか、(やばい!)という意味なのか(ばれちゃった)という意味なのかはわからないが、マズイ状況で困っていると感じてそうなのは伝わってきた。

彼の知人は、私と彼の見えない会話に気づくはずもなく、容赦なく言葉を続ける。
「でも、○○歳って、すごい年上すぎじゃねえ?」

聞いちゃったよ、年齢・・・。
うん、確かに私より上だ・・・。

「いや、もうおばさんだから。」
彼は力なく答える。

おい!
言うに事欠いて、おばさんとは、何たる発言!
もっと、言い様があるだろう?

てことは、何だ。

彼は、年齢が上の女性にちょっと飽きてきていて、
他の子にちょっと手を出そうかななんて状況になっていて、
そしたら、たまたまアタシがいて、
あ、彼女より全然若いだろう、と声をかけてみたところ、
そしたらやっぱり年上なんで、すごいビックリしたけれど、
今の彼女よりは若いんだからまあいっか、みたいなところで、
アタシはまんまとひっかかりかけていて、
でも、そのうち
「うん、おばさんだから」
みたいな理由で捨てられる、
って話になるのか???
(以上、3秒思考)

おい、冗談じゃねえぞ!

ちくしょー、ばかにしやがって!!

年下の男なんて嫌いだ!!

***

「あれ?河合さん、結構いける?」
グラスを飲み干す私に、同じテーブルのメンバーが声をかけてくる。
「うん、飲みたい気分なの。もう、今日は飲みましょうよ!」
「いいね~!」
私のところのテーブルは、急に盛り上がりを見せ、ビールのピッチャーを追加した。

***

結局、その後彼と口をきくことはなく、会場を後にした。
今日、現在まで、職場内LANをとおして、メールがくるわけでもない。
(調べようと思えば調べられるからね)

私の机の上には、彼からもらった名刺が、未練がましく置いてある。

だって、本当に、見た感じも、気の利くところも、態度も、いいオトコだったんだよ~。

捨てられるかもしれない、そして捨てることに躊躇しないオトコなんだと割り切りながら、自分からメールを出すべきか・・・、
そんな好みのオトコに、間違っていたとは言え、声をかけてもらった自分に自信を持って、他のオトコを探しにいくか・・・、
そんなことを考えながら、私は目の前に積みあがる仕事に溜息をついている。



~おわり~

同情するより、拍手ください。
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